静岡の住居から、県内に通い東京に通う日々が始まりました。実に快適です。お家が1つしかないってなんて素敵なんでしょう! 河合塾コスモの仕事は続けたいですし、収入を考えても続けざるをえないんですが、正直言って、なるべく静岡の我が家に帰りたいんで、毎週火曜の夜に東京のビジネスホテルに宿泊するってのが今からもう憂鬱ですわ(笑)。

ここ数年、週の半分を東京、半分を静岡で過ごすという日々を送ってきました。疲労するのは長距離移動のせいだと思っていましたが、それだけではなかったんですね。たぶん、生き物は同時に2つの環境に適応するようにはできていないんでしょう。東京では東京モード、静岡では静岡モードで他人に接し、仕事をし、生活をしますから、その2ヶ所を毎週毎週往ったり来たりして1人2役を演ずるのは、肉体的にも精神的にも負担だったのだ、ということに今さら気がつきました。

これまで、少しでも収入を引き上げるべく、空いている時間は仕事で埋めることしか考えてきませんでしたが、あえて何かを捨てることも大事だし、それはそれで一つの決断ですね。特にロングスパンで何かやろうとするならば。20代はモラトリアムで遊び呆け、一転して30代はワーカホリックの限界まで突っ走りましたが、40代はできることなら、適度な余裕をもって、軸となる仕事に集中してみたいものです。仕事の中身に関しても、20代は自分の思想を主張するばかりで革命的に暴走し、一転して30代は価格破壊で全ての発注に応える生産者に徹したわけですが、40代でようやくそのどちらでもなく、セルフ・ブランディングに取り組むことができるかな、と考えています。

と言っても、哀しいかな私は商売人としては下の下、企画や開発はできても営業や広報には向いていない人間なので、まずはこれまで自分が手がけてきた様々な仕事の最大公約数となる、コアの部分を炙り出すことから始めるしかありません。この作業のためには、東京の喧騒から逃れていることは大変重要な条件ですな。

先のことについて言えば、40代にふさわしい、これまでより少しレベルの上がった発注をひとつふたついただいたところですし、また、これまでより少しスケールが大きくなったアイデアもいくつか浮かんでいます。静岡のためにやるべきことも見えてきました。でも、それらをこれまでと同じように、ただバラバラにこなしていたのでは、まるでインパクトがないですね。それら全体をひっくるめて何をやっているのか、やっているのは何者なのか、が像を結ぶようでなければ。ちょうどいい機会なので、再出発するつもりで仕切り直してみたいと思います。