6月25日、大岡淳ウェブサイト「日本軽佻派・大岡淳と申しますっ!」を、めでたく開設いたしました!
本サイトを製作して下さったのは、deseinの山田泰士さん・岩渕竜子さんです。おふたりに何か発注したいという方は、大岡まで連絡下さい。もちろん本サイトの内容につきましては、一切の責任は大岡にあります。
改めてウェブサイトを立ち上げようという気になったのは、ふだん私は多岐にわたる仕事をしているため、それらを一貫したパースペクティブの下に並べてみたいと考えたからです。で、実際にこうやって整理して眺めてみると、我ながら色々やってきたなぁと思います。Works欄に、主だった仕事を「演出/戯曲/出演/批評」と4つの項目でまとめてみました。「批評」はもっと膨大にありますし、「ワークショップ」という項目も加えなきゃいけません。これがまた膨大な量です。近いうちに加えますので、こういう仕事に関心がある方は参考になさって下さい。
もっとも、自分であれやこれや企画立案したというより、クライアントからの発注に応え、依頼されたコンテンツを下支えする仕組みにまでコンサルタントっぽく目配りしながら、ビジネス用語でいえば提案営業をやってきたにすぎないんですけどね。ニーズをウォンツに高めるっていうんでしょうか、気づかれていない潜在的な次元を顕在化させて「ああそれこそ我々がやるべきことだったんだ!」という発見をしてもらって、一緒になって盛り上がる。私のような出入り業者からすると、この盛り上がりが大事ですね。祝祭的なムードといいますかね。いつもと違うぞ、ルーティンでこなすことじゃないぞ、ここは積極的に勝負に出るべきだぞ、そのためのパートナーとしてお前を選んだぞ、と、クライアントの側でやる気を高めてもらえれば、この関係は良好に推移し、案件が成功する確率が高まります。
こういう商売の方法論は、こうやってサイトにまとめて初めて気がつきましたが、私の場合一貫しているようです。演出家としてはパフォーマーの魅力を引き出すわけですし、教育者としては生徒の「本当は自分はこんなことを考えていたんだ」を言語化させるわけですし、その他いかなる仕事を依頼された場合でも、依頼者当人が自覚していない、その仕事のコンセプトの優れた点を浮き彫りにし、さらに「だったらもっとこうしましょう」と、依頼者の意表をつくアイデアを介して増幅させるわけですね。つまり、依頼者が私と接する前と後では、変化が起きていなければならない。潜在的な次元に眠っていたものが顕在化するという変化が。それは言い換えれば「成長」ってことであり、人間の多くは心の底では「成長」することを望んでいる――モダニストたる私の人間観って、そういうものかもしれません。ということで、このような変化の触媒となるべく、様々なアイデアを練るのが私の仕事の本質なのだと思います。
では、そのようなアイデアはどうやって生み出すのかという質問をときどき受けますが、ちょっと難しい説明になりますけど、ある一つの案件にとって所与の条件と見えるものから、既存のコンテクストを引っこ抜いて、個々バラバラの要素にいったん分解し、そのコンビネーションを変えることで何が生まれるかをシミュレートするのですね。積み木みたいなものです。積み木遊びにだって上手下手があるかもしれませんが、この分解と再構築という作業は、繰り返しやっていればだんだんうまくなるので、その意味では地道な積み重ねの産物ではありますね、発想力なるものは。即興にだって習練が要るってのと似ています。事実、アイデアを提示するのに、いったん持ち帰って検討するという手間をとったことはほとんどありません。依頼者にゆさぶりをかけるインパクトが大事なので、最初のミーティングで、いきなり具体的な内容を提示できるかどうかが勝負だと思っています。
という具合で、これまでに私が創造したアイデアの数々を整理し陳列したのがこのサイトであります。内容は徐々に充実させていきます。なんか「アジテーション!!」というサイトの雰囲気とは真逆の挨拶になってしまいましたが(笑)、オマエのアイデアを借りたいという方は、ご一報下さい。