大検予備校で授業の日。昨日はお休みだったから、晩は近所のアイリッシュ・パブで楽しく飲んでしまった。朝起きて授業の準備を始めたが、いつもと違って今日はテキストの分量が多いということに今さら気づく。大慌てでプリントを作成したが、案の定間に合わない。仕方がないので不完全な状態で添付ファイルを職場に送信。格好悪いことこのうえない。

授業では科学史をテーマとした文章を読ませたのだが、「主客二元論」「心身二元論」「ラマルクとダーウィン」「ニュートン力学」「ラプラスの魔」などなど、解説しないと意味がわからない事項が頻出。仕方がないので片端から説明するが、自然科学が題材となると、ただでさえうさんくさい私の話は、ますますうさんくさくなってしまった。だいたい今でも「物理・化学の試験で点がとれず高校を卒業できない」という夢を見るくらいなのだから(実際は赤点をとったことはないけど、化学は水兵リーベの丸暗記、物理は公式の丸暗記で、きちんと理解できたという記憶がない)、まともな説明なんかできるかー!! ということで、受講していた皆さんすみませんでした。

授業終了後、休憩もそこそこに小論文個別指導開始。夏休みがあけると徐々に受験本番が視野に入ってきたようで、学生諸君に段々と焦りの表情が見えてきた。この予備校はフリースクールの色合いが強く基本的にノンビリはしているし、受験期になったとたん人が変わるようなムードは私も大嫌いだから、みんなには、できればちょっと毛色の変わった面白い受験を経験してほしいと考えている。しかしその一方で、早めに外の世界に触れさせてあげたいという思いもあり、なるべく現実性があり、かつ、向上心を持てるような志望大学を決めるよう指導している。そのために必要なお手伝いは、惜しみなくやっているつもりだ。

その成果があったようで、今日は、志望大学や受験科目について考え直す決意をした学生が2人いた。立派な決断である。これを大人になる一歩としてほしいものだ。また、小論文を使って受験することに既に腹を括った諸君は、苦心しながらも徐々に腕を上げている。結局、科目を問わず学習で伸び悩んでいるのは、将来に対して覚悟が定まっておらず、志望がはっきりしていない学生たちなのだ(そういう子たちには、原則として、小論文受験はあきらめるように指導している。この時期から1科目増やすのは能率が悪いからだ)。現状でもスタッフ諸兄姉はじゅうぶん頑張っているけれども、さらに大学・学部・学問についての情報をふんだんに提供し、緻密な進路指導を実施すれば、学生諸君ももうちょっとエンジンがかかり、合格率を上げることができるのではないか。私としても、色々なやりかたで学生諸君にアプローチして、背中を押してやりたいと思っている。