『音楽の魔法使い』出演、無事終了しました。思えば、わずか10分程度の出演時間のために、雅とふたりきりで何日も稽古して、それなりに手間がかかったしそれなりに大変でしたが、でもその結果楽しいパフォーマンスが仕上がりましたし、演奏家の方々と共演したのもとても勉強になりました。創造することの原点に触れる思いがいたしました。

そして、文字通り休む間もなく、市民参加劇・モリエール『喜劇ゴリ押し結婚』の稽古に復帰いたしました。本日の稽古で、ついに最終場面からカーテンコールへの流れができました。ギリギリになりましたけど、もう少しで通し稽古です。今回は、人生初の試みとして、理屈抜きに楽しめる芝居を目指しています(笑)。なにしろ喜劇ですから。深遠なテーマも斬新なスタイルも別にありませんけど、ただ人生の可笑しさと儚さは、感じていただけるのではないかと思います。まあ、ゲラゲラ笑えるものではないかもしれませんが、でも愉快な内容ではあります。ご期待下さい。

それから、自分で言うのもアレですけど、大岡演出の楽しみのひとつは、音楽ですね。今回は、静岡在住の作曲家・渡会美帆さんに担当してもらっています。

渡会さんのオフィシャル・サイト

http://www.k4.dion.ne.jp/~maffin-m/

オリジナルを含むピアノ演奏をお願いしました。とても素敵なことになっています。音楽の力を改めて実感する日々です。

出演者もスタッフも、今回は袋井市民を中心とする静岡勢で固めてありまして、これもまた、私としては初の試みです。静岡で働き始めて4年目ですが、ようやく地域密着型の公演を制作できるところにまで漕ぎ着けました。何よりそのことを嬉しく思っています。公立文化施設の「主催事業」なるものは本来こうあるべきではないか、というモデルになりうる内容だと思いますけどね。川崎でミュージカルをやっていたときも、ここまでの形は作れませんでした。だいたい、公立文化施設でお芝居やミュージカルやオペラを作るときってのは、東京の演出家がチームを率いて落下傘で降りてきて、高額のギャラをふっかけて、やっつけ仕事をするわけでしょう、地元の偉人だの民話だのをネタにしてさ。私のやりかたは全然違いますからね。本当に地域に入り込んでやってますから。

学遊館のうさぎホールでがっちり演出するのも、実はこれが初めてです。いきなりホールに飛びつくのではなく、少しクッションを置いてから挑戦したのが正解でした。うさぎの舞台の使い方の、ひとつの手本にはなるんじゃないかと思います。

また、『ゴリ押し』に先立って、9月27日(日)には、あの世仁下乃一座の演出家劇作家・岡安伸治さんの傑作『BANRYU』が登場します。静岡方面の皆さん、ぜひこちらも御覧下さい。お時間あれば、岡安演出と大岡演出の見比べなんて如何でしょうか?

詳細はこちらをクリック↓

http://tsukigaku.hamazo.tv/e1911460.html

ということで、月見の里・芸術祭はまだまだ続きます。後半戦をお楽しみに。