友川かずきのライブを聴きに、渋谷アピアへ。時間があれば必ず聴きにいくライブである。

「この世を踊れ」「ジャン・ジュネに聞け」「エリセの目」といった最近のライブの定番は、相変わらず気迫充分だった。また、今日の目玉は初期の歌「八竜村の子どもたち」。故郷の小学校の同級生たちを歌ったもので、ノスタルジアとセンチメントに溢れ感動的であった。秋田県山本郡八竜村は、町村合併で名前が消えてしまうらしい。そこで村の小学校の校長先生が、村の記憶を残すために、小学生が作った詩に曲をつけてほしいと友川氏に依頼してきたそうである。それにしても合併などというものはカネの論理でしかない、こういう政治には腸が煮えくり返る、と友川氏はMCで語っていた。もうひとつMCで傑作だったのが、ヴィクトル・エリセの話。ふだんは学校の先生をやったり脚本の執筆をやったりして、10年に1本しか映画を撮らないことが美談のように語られているが、実際は、やたらに喧嘩っ早くて企画が次々にポシャッてしまうのだそうである。「その話を聞いてますます好きになりました。なんだ、スペインにも三上寛がいるじゃないか。」はははは。

カウンターで勧められてプーケットのビールを飲んだが、これがなかなかおいしくて酔っ払ってしまった。