結婚してもう半年が経ちまして、今更ではありますが、友人を集めたささやかな結婚披露パーティを、六本木の老舗ジャズレストラン、サテンドールを借りて開催しました。プロのアーティストが次々に登場し、得意の演奏・歌唱・パフォーマンスを披露して下さり、たくさんの方々に見守られての門出となったことを実感いたしました。「これはもはや披露宴じゃなくてディナーショーだ!」とのコメントを多数頂戴し、私共としては理想的な会を催すことができました。余興でも宴会芸でもなく、本物のアーティストが居並ぶザッツ・エンタテインメントな披露宴をやることが、実は私の昔からの夢だったのですが、本当に叶えちゃいました。新郎新婦が司会進行をやっちゃうという斬新なスタイルも、お楽しみいただけたかと存じます(笑)。皆さん本当にありがとうございました。

さて昨日は、静岡県立美術館のロダン館で来月上演する『セロ弾きのゴーシュ』の稽古を、静岡芸術劇場でやりました。例によって、SPAC俳優・奥野晃士さんによる朗読ならぬ“動読”なのですが、前回の仲道祐子さんに続く今回のゲスト演奏家は、現在最も注目を集めているチェリスト、長谷川陽子さん!「ちょっと練習しますね~」とおっしゃって、おもむろにバッハを弾き始められたのですが、いや~~~~~凄い! たちまち鳥肌が立ちました。第一級の演奏家は音色からして全然違いますね。

それで一瞬、この演奏に朗読をくっつける意味ってあるのか?と、絶望的な気持ちになりましたけれども、宮澤賢治のテキストはさすがでした。「音楽とはそも何ぞ?」という哲学的な問いかけを含んでおり、第一級の演奏と四つに組んでも微動だにしない強度を備えています。賢治に助けられ、長谷川さんにノリノリでコラボしていただきながら、奥野さんと共に“動読”演出プランを一気に仕上げちゃいました。既に回数を重ねてきましたから、我々なりの“動読”のスタイルが、ぼちぼち出来上がりつつあるように思います。

実際にチェリストを使った『セロ弾きのゴーシュ』の上演例がどのくらいあるのか調べていませんが、今回の我々の『セロ弾きのゴーシュ』は、他の追随を許さない決定版のパフォーマンスに仕上がるものと思われます。賢治のテキストに託して、私なりの音楽論を表現するつもりです。前回の夏目漱石『夢十夜』と共に、県外にも売れるコンテンツへと育てていきたいものです。

そして告知です。来たる日曜、月見の里学遊館で「シアター・ダンス・バトル In 袋井 おどるのこと2010」が開催されます。ロンドン在住のダンサー・南村千里さん、パリ在住の女優・村上純子さんがゲストで登場します。こちらもぜひお越し下さい。