事後報告になりますが「SPAC俳優による朗読とピアノの午後」が始まりました。いちおう構成・演出として私の名前がクレジットされておりますが、中身はほとんど俳優さんとピアニストさんが相談して作っております。私は手直しをしているだけですけれど、ただ、基本的な素材が既に出揃っている中で、最後にどう味付けすればそれが「作品」へと昇華されるのかを考えねばならないので、却って「演出」という行為の本質を問われているような気がします。総計で12組のリーディング作品が登場するんですが、これ全部の仕上げを私が担当しますので、全く予想していませんでしたが、演出家として絶好の修業の機会になりそうです。だって、2ヶ月に満たない期間に12本演出するんですよ! プロの舞台俳優の皆さんから、多くを学ばせてもらっております。一度の指示で、フォルムもムーブメントもきれいに修正してしまう能力の高さは、さすがスズキ・メソッドで鍛えられている百戦錬磨の勇士たちだな、と、圧倒されております。大岡も、彼らの魅力をよりいっそう引き立たせるように頑張ります。

さて、これも事後報告になりますが、PARC自由学校でコーディネーターを担当している「連帯のための哲学」という講座で、衆議院議員・新党大地代表の鈴木宗男先生にお越しいただきました。意外にも――と言うと失礼かもしれませんが――これまでの講師の方々のお話より以上に「連帯のための哲学」というテーマにどんぴしゃりのお話で、小泉構造改革を批判しオルタナティブを提示する、圧巻の内容でした。噂どおり演説の腕前は絶品で、最高のパフォーマンスでした。ビジョンも実行力もある、スケールの大きな、本物のリーダーですね。いや~男として惚れました。こういう人物にこそ総理大臣をやっていただきたいものです。微力ながらこれから応援しようと思います。

大岡は司会者特権で「一連の“鈴木宗男事件”フレームアップの背景に、アメリカ筋の謀略はあったと思いますか?」という質問をしたんですが、これに対する答えがまた凄かった。知りたいでしょ? 教えません(笑)。

ともあれ、皆さんもぜひ一度、宗男先生の演説を聴いてみて下さい。

こういう仕事をしていると、つくづく、おいらの本質は「芸術家」じゃなくて「活動家」なんだなあ、と思いますね。SPACを含め、舞台の仕事では「エンターテイナー」に徹しているつもりですが、それもやっぱり「芸術家」ではないですね。実際「芸術家」を名乗ったことは一度もありませんし。活動家でエンターテイナーって、要するに草創期の新派みたいなものでしょうか(笑)。民権壮士崩れの講談師というか……って、まんまじゃん!