というわけで、既に書き始めておりますが、これから本格的にはてなのブログを再開します。はてなユーザーの皆さん、お久しぶりです。およそ2年に渡り(!)ミクシィに引きこもってきましたが、これから復帰します。
この間に、大岡は「脱演劇」を宣言しました。これは、元オスト・オルガン主宰の海上宏美さんが芝居の演出を「廃業」したという問題提起に共鳴したものです。私も芝居の演出を「廃業」しますが、ただしイベントやパフォーマンスの演出は続けることになりましょうし、演技という表現手段を“使用”することまで排除するものではありません。また、演劇批評家としての仕事もこれまで通り続けます。さしあたって「脱演劇」とは、「よい芝居を作ること」を目的とした創造活動をやめる、ということです。
ところで、このように私が「脱演劇」を決断するきっかけとなったのは、商品劇場に代わる新しいユニットとして、普通劇場を立ち上げたことです。
普通劇場ウェブサイト http://ordinary21.web.fc2.com/
芝居をやるつもりで人を集めてみたのに、蓋を開けてみたら、このユニットには俳優がひとりもいなかったので、「廃業」するほかなくなりました(笑)。この国において俳優を志す人々は、恒常的に舞台に立つことそれ自体を目的としているので、私のように「演劇は社会変革のためのツールに過ぎない」などと考える者とは、そりが合わないのでしょう。一方で、演劇を目的としたユニットではないのなら、むしろ積極的に参加して、何か面白いことをやってみたいという人々が普通劇場に集まってくれました。
そんなわけで、「脱演劇」を宣言してから2ヶ月が経ちましたが、既に、意識はずいぶん変わってきました。これまでは、演劇が枷となって、演劇に関心を持たない人々と接する機会を逸してしまうことが少なくなかったのですが、これからは、もう演劇という枠は取り払って、ただ単純に、より多くの人々と接し、共に考え、共に行動することを目指そう、と決めました。その一環として、このブログも再開することにした次第です。