SPAC秋のシーズン2013「午後のアートカフェ」


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「午後のアートカフェ」と題した連続企画をSPACで開催しておりまして、大岡はこのカフェの「店長」を務めております。毎回異なったコンセプトで、様々な出し物が展開するカフェなのですが、次回が最終回で「江戸カフェ」をオープンいたします。11月30日(土)13時から17時まで、静岡芸術劇場1Fロビーが、カフェ空間に変貌しております。

出し物の第1部は、哲学を専門とする研究者であり、また、梨園に通じた演劇評論家でもある、田中綾乃先生(三重大学人文学部准教授)に、鶴屋南北の歌舞伎を中心として、江戸文化の魅力を存分に語っていただくレクチャー「江戸はこんなに面白い!」です。現代の歌舞伎のこぼれ話も、聞けるかもしれません。江戸入門として、お楽しみ下さい。

そして第2部は、大岡渾身の書き下ろし戯曲を、静岡市在住の東啓次郎先生(生田流筝曲・地唄三絃教授)による三味線と、SPAC女優たきいみきさんによる語りでお届けする、朗読劇「東海道四谷怪談」です。昨年まで開催していた「SPAC俳優による朗読とピアノの午後」の発展形をお見せできるだろうと思います。演出も大岡が担当します。

なぜ「四谷怪談」かといえば、SPACが12月に、平田オリザ作・宮城聰演出の『忠臣蔵』を上演しますので、これに合わせてみた次第です。江戸時代は、「仮名手本忠臣蔵」と「東海道四谷怪談」は、ワンセットで上演されていたそうです。というのも、「東海道四谷怪談」は「仮名手本忠臣蔵」のスピンオフ作品なのですね。「四谷怪談」は、鶴屋南北先生がパロディ精神を発揮して生んだ傑作なのです。お岩さんの亭主・民谷伊右衛門は、討ち入りに参加しなかった赤穂浪人という設定でして、これが、吉良家(高師直)と浅野家(塩谷判官)の諜報合戦に翻弄されるというのが、この物語の大枠なのです。ごぞんじでした?

で、大岡は、この南北先生の傑作を、その設定を最大限尊重しつつ、お岩さんの一人称に書き換えてみました。スピンオフのスピンオフですな。女性視点でリライトされた「四谷怪談」というのは、ちょっと前例がない試みかと思いますが、如何なものでしょうか。冒頭部分を引用します。

因果の糸はもつれにもつれ、絡み絡んで、ほぐそうにもほぐせず  私の一生なんぞは、そんな糸に操られる、くぐつの演じる芝居であった   なんだかそんな気がしてなりませぬ。そして、この世に別れを告げるとは、その因果の糸の一本一本が、すべてちょん切られるということなのだ。そんなことを今更にして知るのも、我がことながら、なんだかおかしゅうございます。

私は、今ようやっと、あなたのもとに飛んでゆくことができる。

伊右衛門様。

こんな感じです。続きは、「江戸カフェ」でお楽しみ下さい!

SPAC「午後のアートカフェ」
●日時/11月30日(土)カフェ営業13:00~17:00

 13:30〜 レクチャー「江戸はこんなに面白い!」
 レクチャーゲスト:田中綾乃(三重大学人文学部准教授・演劇批評)

 15:30〜 朗読劇「東海道四谷怪談」
 作・演出:大岡淳(SPAC)
 出演:たきいみき(SPAC)
 三味線:東啓次郎(生田流筝曲・地唄三絃教授)

●会場/静岡芸術劇場1Fロビー
●チケット/1,000円(ワンドリンク付/入退場自由)
●予約/SPACチケットセンター TEL.054-202-3399(受付時間:10:00〜18:00)