梅田佳声の紙芝居「猫三味線」を観に、四谷・コア石響(http://www.syakkyo.com/)へ。
一度紙芝居を生で見たいと思っていたところ、ネットでこの公演を見つけたのでさっそく駆けつけてみた。上演時間3時間におよぶ計600枚・全56巻通し上演とあって、紙芝居ってそんなに長いこと眺めていられるものなんだろうか?と疑問に思っていたのだが、始まってみれば息つく暇もなく、瞬く間に3時間が過ぎ去っていた。こ、こんなに面白いものだったのか!
もっとも「猫三味線」は、他の紙芝居と比べて画力もストーリーもずば抜けた出来ではあるらしい。実際、丹念に描かれていて見飽きない絵と、ハリウッド映画顔負けの手に汗握るストーリー展開に、紙芝居師・梅田佳声さんの絶妙な語りが絡んで、ハイレベルなのだが泥臭く親しみやすい、見事なパフォーマンスを堪能した。浪花節が得意だという梅田さんの語りは、随所に豊かな音楽性を感じさせ、二次元世界に展開する物語に、巧みに三次元的な立体感や奥行きを与えていた。そうか、紙芝居の面白みとはこういうものだったのだ。映画やテレビに慣れ切った感覚からすれば、却って新鮮に感じられた。
お話は、ご主人様を殺された猫が、猫と人間の合いの子のような猫娘へと転生し、仇敵である悪漢と死闘を繰り広げるという復讐譚である。終幕には、息を呑むカタルシスが待ち受けている。また機会があれば見てみたい。休憩時間に水飴が配られたのも嬉しかった。