ダニエル・エルナンデス-サラサール来日写真展「グアテマラ ある天使の記憶」を観に、神楽坂セッションハウスへ。

軍事政権下に虐殺された人々(左翼ゲリラ掃討を名目として先住民が殺されたらしい)の遺骨をモチーフとして、骨盤を天使の羽に見立てた写真作品を、政治的葛藤を引き起こすような場所ばかりを選んで貼り付け、さらにその風景を撮影するというメタ写真群。まるで、クレー=ベンヤミンの「歴史の天使」が、グアテマラの街角に降臨したかのようである。

今日はイベントの日で、遺骨発掘のドキュメンタリー『掘り出された言葉』(メアリ・エレン・デイヴィス監督)の上映と、写真家本人によるトークがあった。こちらも面白かったけれども、しかしなにより作品が雄弁に全てを物語っている。来日記念で出版された写真集『グアテマラ ある天使の記憶』*1は、コンパクトながら感動的な内容である。皆さんも買いましょう。