モリエール『ゴリ押し結婚』、果たして本番に間に合うかどうかスリリングなことになっていますが、ともあれ、稽古場は盛り上がっております。日々様々なアイデアを出し合い、どんどん芝居に取り入れているのですけれど、小ネタ満載なので、次の稽古で同じことをリピートするのがめちゃくちゃ大変、というのがこの稽古の難点ですな(笑)。

今日は稽古後に、キャスト・スタッフの交流会、っつーか飲み会をやりました。お互い親しくなれた、素敵な時間でした。後半、みんな恋バナに花を咲かしてましたけど、これは恋愛物をやっているからですかね?

おそらくこの稽古場は、袋井市民・静岡県民が参加するお祭りとして、本番が近づけば近づくほど異様な求心力を発揮するものと思われます。ワークショップが作品へと昇華される好例を内外に示すことができると思いますが、それだけに、学遊館でこういうことをやる場合、これに参加できた人とできなかった人の間で温度差が生じてしまうことが危惧されます。お手伝いでいいから、なるべく多くの市民スタッフに参加してもらって、この現場の空気を共有してもらいたいなあと思っています。ということで関係各位、ぜひ稽古場に遊びにいらして下さい。

そういえば、コメディとはいえ、ラブロマンスを前面に出した芝居を演出するのは初めてです。40歳を目前にして、大岡もようやく肩の力が抜けてきました。20代30代は、ポストモダンなエクリチュールがプラトニズムをディコンストラクションするマテリアリズム(って何だ!)みたいな堅苦しいことばかりやってきましたので、ここに来て、おいらの本来の資質がようやく表現方法を見つけた、という展開になっております。年齢的に遅すぎるという気もしますけど、これも静岡の人たちとの出会いがなければできなかったことですから、まあ、これまでに他の選択肢がありえたとも思えないですね。むしろ、私の場合いつ芝居の現場から離れてもおかしくなかったわけですし、そう考えると、人生ってのはなるようにしかならないものだなあ、としみじみ思います。

そして今日は帰りの東海道線車中で、若い衆に今後についての本音を話しました。本音ってのはつまり、これからの10年が自分にとってのラスト・チャンスだろうということですが。やれるだけのことはやって、ダメだったら潔く現場から身を引いて、物書きなり教師なりに徹しようと思ってますけど、その前に、まだあと10年は現場仕事を続けますよアタシは。アタシのことをうざったいと思っている演劇人がまだ何人かいるかもしれませんが、残念ながらまだまだ気を吐きますよお。だってアンタらよりは若いもん(笑)。そして、これからの10年で、日本社会は道州制へと移行し、東京一極集中は完全に崩壊するでしょう。そこで形勢逆転する計画なんで、東京の演劇人は、せいぜい財政出動に巣食って土建業者の真似事でもしていればよろしい。っつっても、民主党政権じゃそれも難しいかもねー。はっはっはっは。