静岡県を代表する文化発信拠点、スノドカフェで開催されている、パフォーミング・アーツを学ぶシリーズの2回目です。今年で芸歴25年となる大岡淳の、戯曲作品の軌跡をたどりつつ、表象不可能な世界を表象するという逆説的な営為に、大岡戯曲が成功したか失敗したかを検証し、これにより、パフォーミングアーツを通して世界に触れる具体的な方法について考えていきます。ゲストコメンテーターとして、著書『シン・ゴジラ論』で話題の評論家、藤田直哉さんをお迎えします。

「私は夢想する。少子化が進行した果てに、日本人はこの列島から消滅し、代わって移民労働者の末裔たちが民族ごとにコミュニティを形成し、棲み分けをおこない、対立が発生するたびに、言語と法の力で解決を繰り返していく様を。海峡が島を分断するこの列島の地形は、諸民族が共存するには絶好の条件となりえよう。ここでようやくこの国は、名実ともに近代国家の体をなす。繰り返すが、そこに日本人は存在しない。」

大岡淳『エンドレス・ノート』(2007)より

 

〇第1部 大岡淳戯曲5選 名場面リーディング
出演:蔭山ひさ枝 (劇団渡辺)、大岡淳
〇第2部 批評と対談
ゲストコメンテーター 藤田直哉

■日時:2017年9月22日(金) 19:30-22:00
■場所:スノドカフェ七間町(静岡市葵区七間町7-8)
■参加費:1800円(税込、1Drink付)*学割 1,000円
■予約不要
■問い合わせ(スノドカフェ七間町)
TEL : 054-260-6173 / mail : info@sndcafe.net

●出演者プロフィール
藤田 直哉(ふじた・なおや)
評論家。1983年、札幌生まれ。東京工業大学価値システム専攻博士(学術)。二松学舎大学、和光大学非常勤講師。著書『新世紀ゾンビ論』(筑摩書房)、『シン・ゴジラ論』『虚構内存在 筒井康隆と〈新しい《生》の次元〉』(作品社)、笠井潔との対談『文化亡国論』(響文社)、編著に『地域アート 美学/制度/日本』(堀之内出版)など。

大岡 淳(おおおか・じゅん)
演出家・劇作家・批評家。1970年、兵庫県西宮市生まれ。現在、SPACー静岡県舞台芸術センター文芸部スタッフ、静岡文化芸術大学非常勤講師、梅光学院大学非常勤講師を務める。21世紀にふさわしいエンタテインメントの創造を目指し、県内外で活躍。代表的な戯曲に、『王国、空を飛ぶ!~アリストパネスの「鳥」~』(SPAC)、『奴隷入門』(無人劇場)等。編著に『21世紀のマダム・エドワルダ』(光文社)がある。