小論文を指導する。


大検受験予備校で今日から、現代文の講義が終わった後で、大学受験小論文の個別指導を開始。今日は、ひとりひとりと今後の学習方針を相談。午後3時から6時半まで、3時間以上に渡って10人ほどの学生と面談する。いやはや、疲労の度合いが凄まじい。人生相談も込みのような内容だからか…。同じ3時間の仕事なら、授業を立て続けにやる方がはるかにラクである。

各大学の小論文の入試問題を調べていてつくづく思うのだが、これは意外につぶしのきかない科目である。学校によって全くスタイルが異なるうえに、トップクラスの大学が出題している小論文は、依然として相当に高度な教養と理解力と思考力を要求しているため、それなりに労力をかけねば合格できない仕組みになっている。しかしそれだけの労力をかけて、小論文で出題される専門分野についての学習を進めるとなると、下手をすれば、そのぶん基礎学力に欠けるところがあり、通常の主要教科による入試に対応する学力が不足してしまうというケースも容易に想定できる。つまり、現状では小論文入試を選択するとは、一発勝負に賭けることを意味してしまうということだ。「個性」の強い子をとりたいという主旨はわかるが、入学後に基礎学力をつけさせるカリキュラムが用意されていない場合、単に「変わり者」をかき集めただけで終わってしまう危険がありはしないか。小論文を廃止せよ、という声もあるようだが、決して暴論ではないという気がする。

でもまあポジティヴに言い換えれば、明確に志望大学・志望学部が絞り切れていて、一発勝負も厭わないという学生にとっては、小論文入試は有効だということになる。大学もそういう人材を望んでいる。となると結局、小論文入試というのは飽くまで例外的な、マイナーな受験方法だということになろう。しかもこれから徐々に縮小してゆく分野なのだろうから、小論文講師のアルバイトで小銭を稼いでいる大学院生諸君は、これからさらに生活が厳しくなる危険があるぞ。大学入学後の文章指導ならニーズは拡大してゆくはずだから、早くそちらに食い込んだ方がいい。私もうかうかしてられないや。