如月小春「DOLL」を音読する。


横浜青陵高校・選択科目「演劇表現」。そろそろ発表会の準備を始めようということで、上演候補作品の一つとして、如月小春の戯曲「DOLL」を使って脚本読みの練習に挑戦する。

「DOLL」は、私にとってはちょっとした思い出の作品なのだが、初演は1983年であり、およそ20年ぶりに接したことになる。83年といえば私は中学1年生。中学・高校の頃私は毎月雑誌『新劇』を買っていて、如月小春の「トロイメライ」を『新劇』誌上で読んだのを覚えている。「DOLL」は、高校1年のときに先輩たちが文化祭で発表したのを見た。如月小春の「DOLL」と北村想の「悪魔のいるクリスマス」は当時、高校の演劇部でよく上演された人気作品であったのだ。しかし……今日この脚本を読んだ女子高生諸君にしてみれば、なんと生まれる前の作品なのだ! 信じられない!

つまり今の高校生にとっての80年代というのは、ちょうど私の世代から見た60年代くらいの距離感があるということだ。ううむそうか。あのサブカル全盛期は、もうすっかり過去になってしまったのだ。全共闘世代よ、君たちはもう老人なのだよ。そして我々は、もういい歳をしたおじさんおばさんなのだ。

20年ぶりに読む「DOLL」は、思いがけず自分の思春期に出くわしてしまったかのようで、大いに赤面を誘う作品であった。殊に、野田秀樹の影響であろうが、例の小劇場演劇特有の言葉遊びが気恥ずかしいことこのうえない。しかし、育ちのよい女性劇作家ならではの瑞々しいセンチメントは、今もなお人を惹きつけるところがある。事実、我がクラスの女子高生諸君は面白がっていた。

来週も戯曲を持ち込むつもりなのだが……今度は「悪魔のいるクリスマス」でもやってみるかな?