一昨年から、音楽家・河崎純さんとのコラボレーションに力を入れておりますが、いよいよ今月、河崎さんの企画に参加する形で、大がかりな公演を打つことになりました。

4月27日(木)午後7時30分より、両国シアターXにて、「あとから生まれる人々に」と題した公演をおこないます。

コンサート+詩の朗読+芝居と3部構成で、劇詩人ベルトルト・ブレヒトの世界に迫る、盛りだくさんな内容のイベントです。

公演の詳細については、こちらを御覧下さい。

http://planb.fc2web.com/info/info.html

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ブレヒトは、ご承知の通り、資本主義による文化支配に

抵抗し続けた偉大な芸術家です。

今日私たちは、

「フェアな競争こそが結果的に弱者をも救う」という

イデオロギーが全世界を席巻し、

ITを駆使する金融資本が各国の国民経済を蹂躙し、

インターナショナルな階級対立が「文明の衝突」に

すりかえられてゆく、

過酷な状況の下に置かれています。

個々人の実感に即して言えば、

日曜の夜に「ああ明日からまた仕事か」とウンザリする

感覚を、誰しもが共有できる社会に生きています。

にも関わらず、「では誰しもがウンザリせずに済む社会を

どうすれば作ることができるか」と問う人がひとりもいない

のは、なぜなのでしょうか?

それは、私たちが依然として

「資本主義こそが唯一最良の経済体制である」

とする、マインド・コントロールに束縛されている証拠

ではないでしょうか?

資本主義とファシズムの共犯を告発した、

ベルトルト・ブレヒトの詩や歌や戯曲の数々は、

このようなマインド・コントロールから個々人を解放し、

麻痺してしまった思考能力を回復させる、

強力な解毒剤と言えます。

ただし「毒を以て毒を制す」かのごとく、強烈な毒を

含んだ薬でもあります。

さて、今回私たちは「ブレヒト原理主義」を掲げ、正しく

ブレヒト的な方法によって、ブレヒト戯曲を上演することを

目指しています。題材は、教育劇『例外と原則』。

我が国の演劇業界では、ブレヒトは、既に新劇によって

消化されてしまった古典的存在として認識されて

いますが、これは日本人の悪い癖である「一知半解」

に他なりません。

ブレヒトの紹介者であった千田是也ですら、

あの戯曲群をリアリズムの演技術によって演出していた

というのだから、驚きです。

言うまでもなく、ブレヒトにおいては

思想(主題)と創作(戯曲)と方法(演技)は、

密接に絡み合っています。

ところが日本の演劇人は、ブレヒトの戯曲には関心を

寄せつつも、その思想の徹底性は忌避してきたし、

その方法を自家薬籠中のものとして、演技術を革新する

ことには、関心を抱かなかったようです。

そこで私たちは、日本では未だ手つかずのままである、

ブレヒトの思想と方法を愚直に具体化し、今日なお

資本主義批判を意図したブレヒト劇に有効性があることを

証明すべく、日夜稽古に励んでおります。

私たち芝居チームの出番は後半ですが、前半に登場する

音楽チームも、大変クオリティの高い演奏で、

色とりどりのブレヒト・ソングをお聞かせします。

音楽好きの方は必聴です。

どうぞ、お時間のある方は本番にお立ち会い下さい。

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チケットの予約は、お名前と枚数を明記したメールを

私、大岡淳 ooka@jd5.so-net.ne.jp に送信していただけ

れば成立となります。

料金は当日受付にての御精算となります。

それでは、劇場にてお待ちいたしております。