普通劇場『じぱんぐ零年』通信第6号


以下、普通劇場パフォーマンス『じぱんぐ零年』公演当日に配布するパンフレットに収められる、桜井順先生ロング・インタビューの、さわりの部分のみ紹介します。チケットを購入して下さったお客様への豪華プレゼントです。全文を読みたい方は、12月27日から29日まで、お茶の水で上演される『じぱんぐ零年』を観に来て下さい!

トリックスターを演出する

桜井順先生インタビュー

「マリリン・モンロー・ノー・リターン」、「黒の舟唄」、「バージン・ブルース」等、作家・野坂昭如氏の歌の数々を作詞作曲してこられた、桜井順先生。終末感覚にあふれる歌の作り手として、2011年をどうご覧になっているか教えていただきたいとお願いしたところ、快くインタビューに応じて下さいました。野坂氏とタッグを組んだ、痛快な戦いの軌跡を経た今、どんなメッセージが飛び出すのか。普通劇場『じぱんぐ零年』とも共通するスピリットを噛みしめながら、お楽しみ下さい。

〔聴き手:大岡淳(普通劇場)、佐々木治己(劇作家)/2011年12月14日、BRAINJACKにて収録〕

 

●この世はもうじきおしまいだ

大岡 今日お伺いしたのは、端的にいってしまうと、野坂昭如さんの歌「マリリン・モンロー・ノー・リターン」の中で<この世はもうじきおしまいだ>と書かれた先生が、この2011年の状況をどういう風にご覧になっているのか、をお聞きしたかったからです。私は今年は、まさに<この世はもうじきおしまいだ>と感じた年でしたが、単刀直入にその点如何でしょうか。

桜井 <この世はもうじきおしまいだ>という歌詞は、1970 年に書いたんです。そのとき野坂さんはそう実感していたと思うんだけど、僕はそれほど切実じゃなかった。でも野坂さんを見てああいう歌を書いた。で、40年経った今になって思うと、全部当たってるんですよね。例えば1番の<あの街この町鐘が鳴る>は、弔鐘ですよね。もうじきこの世はおしまいという鐘が鳴って、<どうするどうするあなたなら>と、これは完全に当たってるでしょ。3番は<桜散る散る菊も散る>で、ちょっと怖いイメージですけど、これも日本や天皇制が難しいことになってきているから、当たってるんですよね。それから4番は、アメリカのことを言っていて<歩き疲れて西の果て/真っ赤な真っ赤な日が沈む/さよならさよなら国家(コカ)甲羅(コーラ)>これも要するにアメリカの落ち目が当たってるわけですね。2番の<俺たち毎晩お祭りだ>が一番今の世の中にぴったりかな。自暴自棄になって先のことはあんまり考えられない、ということだから。3番の<欲張り婆は長生きで、優しい娘は早死にだ>も、今のワーキングプアと重なる。そして最後の、<赤ん坊作るにゃ遅すぎる>ってのは完全に当たってますね。こういうのは野坂さんが言うと予言風になるんでね。今頃当たってきたかな、という気がしています。

大岡 こういう歌詞は野坂さんとアイディアを共有して作られるんですか?

桜井 それは全くなくて、野坂さんと僕の場合は、僕が野坂さんのそばにいて、彼の言動を見ていて、それを自動筆記みたいに書いて彼に渡すと、彼はまるで飯を食うみたいに、黙々とそれを歌うだけなんだよ。だからお互いに、こういうものを作ろうという相談は一切なし。「ここの歌詞ちょっと変えた方がいいんじゃない?」なんてやりとりもなし。僕の書いた歌詞をそのまんま歌う。それは珍しい例でね。二人一緒で一人のシンガーソングライターみたいなものなんですよ。

大岡 てっきり野坂さん御自身が歌詞を書いておられるのかと思ってました。

桜井 そういう風に見せるように書いてたってことだね。50年くらいの付き合いですから。

 

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