今日は東京から浜松に赴き、アクトシティにある(財)浜松市文化振興財団のオフィスで「はままつ演劇・人形劇フェスティバル」の会議に出席しました。演劇ワークショップと劇評ワークショップをやりますので、静岡県西部の皆さんは是非遊びにいらして下さい。明日明後日は岡山で戯曲講座です。そして日・月・火と袋井で稽古です。文字通り東奔西走しております。

最近、複数の方から「日本中飛び回っててイイじゃん」と言われたんですが、そんなことはありません。まず、人間は移動距離に比例して寿命が縮むと聞いたことがあります(笑)。ちょっと違うかもしれないけど。でも、長距離移動が健康に悪いことは間違いがありません。だって、乗り物って、どれだけ乗っても慣れるってことはないですよ。毎度ぐったりとした疲労感に襲われるのは、どうしようもありません。長距離トラックの運ちゃんなんて、大したものですね。でもきっと腰痛がきついだろうなあ……。

日本中飛び回る職業というのは色々あると思いますが、長距離トラックの運ちゃんに匹敵するのは、人気予備校講師じゃないですかね。私も予備校で禄を食んでいるので知っているんですが、ここだけの話、人気予備校講師は顔色が悪いです(笑)。嘘だと思ったら、大手予備校のウェブサイトを見て下さい。どのツラも、本当にしんどそうですから。もうちょっと詳しく言うと、「同僚は皆ライバル」という競争のストレス、年間契約なのでいつ首を切られるかわからない緊張感、1日に4コマ5コマをこなす過剰労働、そして、長距離移動による肉体的疲労が重なって、顔色がどんどん悪くなるようです。いやだって、授業が終わるとみんな死んでますもん。

もちろん彼らは教えることのベテランであり、授業がうまく面倒見もよく、根本的には気のいい人たちなのです。そんな彼らが、ヘビースモーカーだったり顔色が悪かったり体形がガタガタだったりするのを見ていると、予備校講師たちが強いられているような純然たる競争主義は、日本人の体質に合っていないのかな、という気がしてしまいます。身分が保証された学校の教師のあのほくほくしたぬるま湯感とは、対照的ですね。教育産業に進みたい人は、学校に雇われる方がいいですよ。予備校講師の方が稼げるなんて時代はもう終わりましたしね。

話を戻しますが、通勤は短時間・短距離の方がいいに決まってます。動物園の動物を見て「檻に閉じ込められていてかわいそう」なんて考えるのは人間のエゴでしょう。天敵に捕食される危険と背中合わせの大自然と、餌が毎日与えられて安全な動物園とを比較すれば、動物の立場からすれば後者の方がいいに決まっています。同様に、生活圏は刺激が少なく、移動が少なく、安定している方が、長生きできると思います。

補足。こう書くとまるで遠方で仕事をしたくないと言っているみたいですね。いいんです私は。寿命より仕事です。もうばんばん声かけて下さい地方の皆さん。舞台だの芸術だのに理解のない土地柄ほど燃えます。