小沢一郎さんの民主党代表選出馬について、早くコメントを!とリクエストを頂戴しましたので、さっそく書きます。

まず、どんでん返しで小沢出馬に至る経緯ですが、ネット上の噂話からすると、菅・鳩山会談で菅総理がいったん仙谷・枝野のパージを約束しながら、たちまち翻意して鳩山さんの面子を潰したのだろうということです。私はてっきり、イラ菅の出足を遅らせて神経を逆撫でする小沢さんの作戦かと思いましたけど、まあ実際のところはわかりません。ただ、左翼には渡世の義理は通じないという経験則からして、菅直人の側に裏切りがあったと考える方が自然かもしれません。左翼は結局、政治を数の論理としか思ってませんからね。レディ・ファーストなど必要なくデートはもちろん割り勘、というのが左翼の平等主義であります。義理人情は「封建的イデオロギー」であり偽善である、というのが左翼の合理主義であります。搾取を撲滅するために働いているから、党職員はいくら搾取しても構わない(なんで?)、というのが左翼の革新主義であります。かくして左翼は、どこか新自由主義者と一脈通じるところがあり、だからこそ、菅さんも小泉構造改革派(=ポチ保守)に転じたのでありましょう。ちなみに、菅・鳩山会談に先立って、細野豪志さんが小沢さんの出馬を明言していたのですが、こういうときはやっぱり政治家の情報が頼りになるんですね。

世に倦む日々の田中宏和さんが、小沢はいったん出馬して政策論争で菅直人を追い詰めた上で、投票日寸前に出馬をとりやめて条件闘争で勝利すべし、という奇策を提案しておられます。それもひとつの戦い方でしょうし、前回のエントリーで私が書いた通り、代表選で負けて「民主党はもう駄目だ!」と大騒ぎして党を割るのもひとつの戦い方でしょう。むしろ厄介なのは代表選に勝利しちゃう場合で、こうなると米国の傀儡である財務官僚・検察官僚・マスコミの集中砲火を浴びることになり、小沢さんが政治的に抹殺されちゃうんじゃないかということを危惧します。しかしまあ、私のような床屋政談ブロガーの忖度を超えて、小沢さんは稀代の勝負師にふさわしいシナリオを用意している、と信じたいところです。一方、菅直人はまたぞろ消費税増税を言い出しているので、国民世論を洗脳し切れるとは限りませんね。ただ、マスコミは既に小沢攻撃を開始していますね。これから「政治とカネ」の大合唱でしょう。やれやれ。

私の本音はどうかと言えば、実は、小沢さんが負けてくれた方がありがたいです。菅さんが勝って、消費税は増税し、円高は止まらず、辺野古には米軍基地を作り、日本政府は米国債を買い続け、景気は回復せず、格差は縮まらず、ついには世界恐慌に連鎖して日本経済がクラッシュし、日本国内の治安が悪化し、経済復興を狙ってついに憲法改正して戦争に突入する……という事態になればなるほど、私個人は儲かりそうな気がします(笑)。昭和恐慌後の1930年代に宝塚歌劇が拡大発展を遂げたというのは、舞台人にとっては大きなヒントを与えてくれる話です。世の中がどうなろうと、いやむしろ暗くなれば暗くなるほど、娯楽には需要が発生する、ということですね。肝っ玉おっ母を見習って生き抜いてみせますよ。

つーことで、両陣営とも頑張れ!(笑)